NEWS
古い家ほど難しい?構造を理解して安全に行うエアコン取付のコツ
2025.10.17ブログ
最近はリフォーム済みの古い住宅や、古民家再生物件へのエアコン取付の依頼が増えています。一見きれいに見えても、実際に工事を始めてみると「壁が土壁だった」「ALCでアンカーが効かない」「鉄骨が干渉して穴が開けられない」など、思わぬトラブルに直面することが多いのが現実です。
どんなに経験豊富な職人でも、古い建物の構造を正しく見極めないと、取り付け後に壁が割れたり、水漏れが起きたりと、思わぬリスクを招くことになります。今回は、古い住宅でエアコンを安全に取り付けるために知っておきたい「構造別のコツ」を、現場の視点から詳しく解説します。
見た目では分からない土壁の落とし穴
古い日本家屋で最も注意が必要なのが土壁です。見た目がしっかりしていても、内部は竹や木の下地に土を塗り重ねただけの構造で、強度が均一ではありません。築年数が経つほど中が空洞になっていることも多く、ビスやアンカーを打ち込んでも固定力が出にくいという問題があります。
実際に現場では、下地の位置を誤って壁が崩れてしまうケースも少なくありません。施工の際はまず、柱や梁などの構造材を見つけることが大切です。柱を探す際は、壁の響きを確認したり、目視で継ぎ目を判断したりと、細かな観察が求められます。下地が見つからない場合は、補助板や合板を用いて荷重を分散させ、室内機の重さを壁全体で支えるようにするのが安全です。
また、土壁の穴あけは焦らず丁寧に行うことが重要です。振動ドリルを使うと土が崩れやすく、表面の漆喰が割れることもあるため、低速で少しずつ穴を広げていくのが基本です。貫通後はすぐにスリーブを通し、隙間をパテや発泡ウレタンで密閉します。防水処理を怠ると、雨水や湿気が侵入して壁が劣化してしまうため、仕上げの丁寧さが後々の品質に大きく影響します。
ALC壁は強そうに見えて意外とデリケート
次に注意したいのが、軽量気泡コンクリート(ALC)を使用した住宅です。ALCは見た目がコンクリートのように頑丈に見えますが、実際は気泡を多く含んだ素材で、打ち込みの衝撃や負荷に弱いのが特徴です。強くビスを打ち込むと壁が割れてしまうことがあり、固定力も思ったほど得られません。
そのため、ALC壁に取り付ける場合は、専用のアンカーや補強部材を使用するのが基本です。とくに室内機を直接ALC面に固定するのは避け、木材や鉄骨で下地を作ってから設置する方法が安全です。下地を入れることで、荷重が広範囲に分散され、壁への負担を軽減できます。
また、ALCは水を吸いやすい性質があるため、配管穴の処理には特に注意が必要です。スリーブを挿入してパテとコーキングで密閉し、防水性を確保します。外壁側のシーリングも重要で、ここが甘いと雨水が浸入して壁の膨張やひび割れの原因になります。仕上げの丁寧さが長持ちする施工のカギになります。
鉄骨造の住宅は“下地の見極め”がすべて
鉄骨造や鉄骨+ALCの混構造では、見えない部分に金属の梁や柱が通っています。位置を誤って穴を開けると、鉄骨を傷つけたり、内部の電気配線や水道管に干渉する危険があるため、事前の確認が欠かせません。図面がある場合は必ず確認し、構造体の位置を把握してから施工するのが基本です。
また、鉄骨部分に直接固定する際は、防錆処理済みのビスや金具を使用します。屋外金具にはステンレス製を選ぶことで、錆びによる腐食を防ぐことができます。さらに、銅配管と鉄骨が接触すると電食が起き、金属が腐食することもあるため、必ず絶縁材を挟んで施工するようにします。細かな点ですが、こうした配慮が長期的な耐久性を左右します。
鉄骨+ALC構造では、貫通穴を開ける際に複数の素材を通過します。硬さや厚みが異なるため、角度を調整しながら少しずつ削るように作業を進めます。スリーブを通した後は、防水・防気密の処理を層ごとに施し、雨漏りや結露の発生を防ぐことが大切です。わずかな手間を惜しまないことが、後のトラブルを防ぐ最善策になります。
現場で問われるのは“構造を読む力”
古い住宅のエアコン工事は、図面に載っていない構造や想定外の素材に出会うことが多く、現場での判断力が大きく問われます。新築現場とは違い、壁の中がどうなっているか分からない状態で施工を進めるため、経験と観察が何よりも重要です。
そして、構造を正しく理解し、その家に合った方法で丁寧に仕上げることができる業者こそ、本当の意味で信頼される存在です。お客様から「他の業者では断られたけど、ここなら任せたい」と言われるようになるのは、技術だけでなく、誠実さと対応力を兼ね備えた職人だけです。
古い家の工事を避ける業者も多い中で、構造を見極め、確実に施工できる技術者は貴重な存在です。どんな現場でも落ち着いて判断できる力を身につければ、依頼も自然と増えていきます。古い家の壁を読み解く力こそ、エアコン職人としての真の実力を示す証なのです。
この度は、株式会社リアライトのホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
弊社の社名「Realite」は、「達成・実現する(Realization)」と「協力や団結(Unite)」を組み合わせた造語で、
協力業者様や取引先様と協力し、共に目標や夢を実現していくという思いが込められています。
私たちは、ただ現状に満足するのではなく、常に未来を見据え、協力業者様や取引先様の皆様と共に成長し続けていくことを目指しています。
近年のエアコン工事業界はニーズの変化や法改正により、目まぐるしい速さで変化していますが、その変化に柔軟に対応し、協力業者様や取引先様と力を合わせ共に成長することで、未来に向けた新しい価値を創り出すことを目指しています。
だからこそ、私たちは「Realite」という考えのもと、未来に向けて皆様と共に団結し、協力業者様や取引先様の皆様にとって弊社と取引をして良かったとご満足いただけるよう、日々さらなる高みを目指し、決して立ち止まることなく突き進んでまいります。
全国のエアコン工事協力業者様を募集しています。
お気軽にご応募ください!お待ちしております!
電話番号:052-737-9988
お問合せ:https://realite.co.jp/contact



